1/15/2018

Sep 1, 2001 :空気を克服せよ、マスコミ

戦争の勝ち負けは官僚組織の優劣で決まるところがある。その典型はドイツ参謀本部の優秀さだ。かれらは兵站(ロジスティック)を重視した。四方の国境はどこでも戦場になりうる。そこへ、兵力、補給を迅速にまわせた方が勝つ。

将棋と同じだ。

アウトバーン、鉄道網は元来戦争のためのものだった。日露戦争のロシアもシベリア鉄道での補給の合理化のため、帰りの木製貨車は運行せずに、燃料にしたと、坂の上の雲にもあった。

当時も、現在も、この「ロジ」軽視は日本の官僚の弱点だ。外務省で悪い意味に使われる始末。南方の島を占領しても、そこへの輸送船が米潜に沈められる、ロジの弱点を想定しなかった。苦肉の策は「現地で自活せよ」だって。無茶だ。

ロジ軽視と言うことは、現場(の事情)軽視と言うこと。東京で将棋の駒を動かすように戦争は出来ない。現地事情(山本下級将校などから)を知らなければ、有効な戦いは出来ない。

もうひとつ、情報軽視だ。情報の英訳はIntelligence(知恵)であって、Information(知識)ではない。前にも書いた。

敵の暗号を解読し、味方のそれはされないようにする。レーダーの開発は日本の方が進んでいたのに、上層部の意識が足りなかった。戦地国事情も同じ。敵は宣伝が実にうまい。日本はこれ以上下手はないくらい。
現在の日本の官僚も同じ。官僚組織がいけないのではなく、良い官僚組織を持てないのが問題。官僚の悪の最大のものとしてよく言われる、縄張り根性は、上に立つ政治家がしっかりしていれば無くなる。小泉さんがやっている。
問題なのは、上記日本人の弱点を優秀な官僚も未だ克服できていないこと。国民、マスコミあげて馬鹿なことを言っている。官僚もそれらに乗るばかり。

もうひとつ。日本人は情念で物事を決めがち。先の戦争も「追い込まれる恐怖」という情念だけで、破滅の道を最初から進んだ。ルーズベルトの策略に乗って。

以上の日本人の短所を見ると、また同じ事を繰り返すような感じがする。だから、それら日本人の「空気」に異議を唱えるべきマスコミの責任「も」重要だと言った。それが出来なければ、マスコミの存在価値がない。

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