12/18/2017

Aug 17, 2001 :マダガスカルその3フランス

旧植民地の国は旧宗主国との関係が濃厚だ。その点で見ると、フランス人との関係では、マダガスカルは愛憎いろいろではないかと感じた(他の国でもそうだが)。もちろん、「愛」のほうも少しはある。フランス人だって、現地人につくした人はいただろうから。でも、当然だが「憎」の方が圧倒的だとは推測される。

旅行者の数ではフランス人が大半。何しろ外の世界への唯一の手段である航空路線はシンガポール便が週2、パリ便が週3しかない(アフリカ対岸と隣島を除き)。だから、フランス語は結構通じる。ただ、クレオール化している(クレオール:現地と混ざること)。英語より通じる。さすが偉大なるフランス。アメリカの影響をよくぞ排除した。とは言っても、アメリカ人はここまでは遠すぎて来ない。アフリカと同じく、ヨーロッパ圏内だ。憎き旧宗主国の言葉を使用しなければ、観光収入が得られない。生きるためにはそういう苦渋もある。
フランスがマダガスカルのために何をしてくれたか?1.5車線の名ばかりの国道は、1956年にフランスが舗装したという。作り方が粗末なのか、いや、耐用年限もすぎているので、穴ぼこだらけ。かえって舗装がないほうが走りやすい。マダガスカルの悪路は世界的に有名。今、最大の援助国は日本。援助対象は、日本では評判悪い、道路建設。首都アンタナナリボから、島内各主要都市に至る(近代的)旅客交通手段は、事実上飛行機のみ。空港は起終点につくればいいだけだから。後進国はどこも同じだ。(近代的という意味:歩くこともできるし、おんぼろバスで3日3晩という手もある)
フランスはこの国から奪うだけだった。人の命も。ヨーロッパの戦争に植民地兵としてかり出した。関係ないのに。

でも、19世紀末に植民地にされたのは最後の王朝メリナ国の女王とその夫たる宰相の責任。そう思わないとやりきれない気持ちになる。フランスが悪いと言ったって、相手がフランスでは通用する話ではないことは皆知っている。
でも、明るいニュースがあります。欧米諸国の黒人奴隷制度を糾弾する雰囲気が最近出てきました。奴隷制度こそは人類史上もっとも恥ずべき人間のしわざだからです。ここで贖罪をしないと白人は天国にいけない。

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