1/06/2017

NAFTAの高度化で、トランプは壁を作る必要がなくなる

トランプ次期大統領がメキシコとの自由貿易(カナダも含めNAFTA)を米国労働者の雇用確保に有害だとして問題化している。問題にされたメキシコはラテン気質で労働者がまじめに働かない(ので給料水準も低い)と理解されているようだが、個人的な経験からはそうではなかった。

数年前、メキシコ旅行をしたことがあったが、日本からメキシコシティ直行便がなかったので、米国ロスアンゼルス空港乗り換えだ。911のあとだったので、米国空港トランジット客でもすべていったんは入国し、荷物検査を受けた後、ロス空港を出発する便に乗り換える(いまもそうだ)。そこでの米国係官の検査はおざなりのものだった。米国は少数民族優遇策をとっていて、空港など公的職場には少数民族(アフリカ系、ヒスパニック系、アジア系)がほとんどだ。優遇されている反面で、かれらの働きぶりはいい加減なものだ。仲間とのおしゃべりに忙しい。観光客にも冗談をふりまく。それらおざなりの検査を受けた後、メキシコ系航空会社のチェックインが待ち構える。預け入れ荷物は全数検査、すべて開封検査される。メキシコ人係員は真剣そのもので、先入観と違い、米国人とメキシコ人のまじめさが先入観と違って対照的だった。同じヒスパニックでも壁を越えたものと残ったものとの差は歴然だ。米国民になると安逸になる。壁があるからそうなる。

結論を言おう。NAFTAを廃止して北米大陸でメキシコなどとの共栄をあきらめることは米国の利益にならない。NAFTAによる自由貿易がさらに進めば、米墨国境に壁を作る必要がいずれなくなる。


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