10/04/2015

シリア難民はヨーロッパだけで解決すべき

 シリア難民を世界中で分担して受け入れよう、というのには無理があるのではないか?
 似たような背景で安倍首相が国連で演説したが、主として一部の日本人の間で「人道的でない」として非難の声があがった。
 政治難民(戦争難民とも、経済難民は対象外)は戦地の祖国から一時避難して、戦争が終わって平和になったら帰国する。その避難場所を提供するのが難民引き受けとなる。ほんの一時だったら、隣国のトルコとかヨルダン、レバノンに避難するのが合理的だ。これらの国には受け入れ経費がかかるので、日本は金銭的負担を申し入れている。
 そのトルコからギリシアそして、ハンガリーなどEU諸国に移動する必要はない。最終的にドイツなどに移住したいのは、経済的理由があるからだ。戦乱が絶えず、平和になっても社会が崩壊しているだろうシリアには戻りたくない。新天地のヨーロッパで生活を始めたい、ということだろう。だから、まずは政治難民かどうかは厳格に審査しなければならない。さらには、ドイツまで到達できるのはシリア人のうち英語ができ移動の経費も負担できる金持ちないしエリート層だ。それらの階層だけをシリア社会から引き抜いたら戦後のシリア復興に支障とならないか。良質な移民だけを受け入れればドイツは得する、という考えかもしれない。
 「人道的かどうか」より、受け入れ国として日本が適当かどうかという議論になるべきだ。難民を受け入れるには難民側の意向もある。日本語を習得しなければならないが、世界で孤絶する日本語を学ぶのは困難を極めるだろう。また、一神教ではない仏教、神道の社会にイスラム教徒がなじめるのか、という宗教問題。日本社会に無理なく入れるのは言語が似ている朝鮮民族、漢字が共通な漢民族、さらには生活習慣に共通性がみられる東南アジアまでだろう。安倍首相は難民受け入れ分担地域のことも言っているのだろうと思う。
 さらには、シリアなど中東でたびたび戦乱になるのは、遠因をたどれば、英仏両国のアラブ(イスラム)分割統治の結果だ。ヨーロッパだけでシリア難民(その他のアフリカも)を解決するのは当然のことだ。

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