10/15/2015

痛税感を言うのだったら小売店軽減税率方式は?

 軽減税率の適用が2017年4月からの10%への増税時から導入されることが安倍首相の指示で決まった。新国立競技場のデザイン変更のときも首相の最終判断だったので、何ごともいつまでも決まらないで宙ぶらりんとなるよりはよいことだ。
 食料品など生活必需品への軽減税率は低所得者対策と思われがちだが、消費者すべてに恩恵を与えるものだから、複数税率導入の最初になる、と見たほうがよい。低所得者対策だったら、まずは、間接税による逆進性をカバーするため直接税の所得税で対応すべきものだ。所得税は累進性があるからその逆累の程度を調整する、というふうに。または、低所得者だけに還付する方法も種々考えられるが、そのうちの日本型軽減税率方式として考えられたマイナンバーを利用した還付方式(財務省案)が国民の拒否を受けたので、これら還付制度すべてが道連れとなって不採用になった。
 軽減税率にこだわる公明党は複数税率制度を提唱しているのだろう。贅沢品は10%以上の税率をと主張し始めた。なんのことはない、昔あった(贅沢)品目毎の税率制度の復活だ。
 これはこれで、国民の支持を得れば立派な政策だと思う。しかし、流通段階で仕入れ価格にかかる税額を控除して納税するインボイスなどの伝票制度が面倒だ、という声が出ていて、首相もこの作業負担軽減も工夫するよう付言している。
 そこで、最終小売り価格には8%の軽減税率とし、仕入れ価格すべて10%に増税することで割り切ればよいのではないか?小売店の仕入れ価格が半分だとして、それにはすべて10%かかるのだったら、小売店の付加価値(利潤、人件費など)のみ8%の軽減税率とする。上記の計算だと、実質税率は9%となるが、レジでの消費税額は8%表示となるので、痛税感は薄れ、公明党などの政策目標は満足されるのではないか。

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