9/07/2015

世論調査政治の危うさ

 安保関連法案への世論調査で、今国会での成立を急ぐべきでない、という意見が多数だという。ここで確認したいのは、日本は間接民主制をとっており、代議士が国民に代わって国会で議論を尽くして立法を図る、ことになっている。世論調査あるいは国民投票で直接国民の賛否を求める直接民主主義にはなっていない。なぜ間接制かというと、複数の政策は互いに関連するので、個々の政策毎に国民の賛否を問うと合理的なものにならないおそれがある。したがって、代議士の選挙時の政策開示を信頼して任期中は立法判断を任せるという方法にならざるをえない。
 もう一つ世論調査で問題なのは、「成立を急がない」理由を聞いていないことだ。推測になるが、日本人の心情として争いを好まないことがある。そのため国論を二分するような争点には賛成、反対以外に「もっと話し合うべきだ」という特殊な意見が多く出る。この「もっと」が「急ぐ必要がない」とイコールではないのか。
 さらに、国民の法案への理解が進んでいないから成立を急ぐべきでない、という一部マスコミの意見は、間接民主主義の主旨を理解していないものと思われる。理解が進んだほうがよいものの、「選良」たる代議士に任せてよいのではないのか。任せた結果がよくなければ、次の選挙で代議士を変えることが可能だ。

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