10/20/2013

七つ星の盛況で考える(コモディティでは勝負できない)

 JR九州の豪華列車の旅「七つ星」が盛況だ。半年後まで予約が入っている。三泊四日の最高級の部屋で55万円(二人一室、一人分)と値段もかなり高い。
 サービスがよければ、この程度の高価なものも売れる、ということだ。日本人の貯蓄の総額は1,500兆円だと言われる。いままでは使い道がなく、それが長期のデフレの原因となっていた。使うのは汎用品(汎用サービス)のほうではない。緩やかなインフレを起こしてこれらの物価水準を上がることを期待しているようだが、汎用なもの(コモディティ)はむしろ一層の値下げが期待されている。七つ星のような特別なものだから、消費が伸びる。
 コモディティは新興国の値段には勝てない。だから、国内では人件費をぎりぎり下げてそれに対抗せざるを得ない。デフレを脱出できるとしても、コモディティ産業の人件費が上がることはなく、特別なものに消費が伸びることでしかないだろう。

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