8/18/2013

産業革命がイギリスで起きたのはたまたまだ

17世紀末から18世紀にかけて英国で産業革命が起きたのは別にイギリスとかヨーロッパの技術力が高かったからではない。そのような技術が必要とされた経済状況だったからだ。

技術力はアラビアのものが優れていて、それらをヨーロッパは学んでいた。さらにはインド、中国由来の革新技術は多い。技術はアジアから欧州に伝わっていたのだ。

産業革命は機械力で人間労働を置き換えようとするものだ。アジアでは食料品生産など産業力でヨーロッパを凌ぐ経済力があり、その結果、人口が増え、さらに安価な食料品などによる労働力単価の低廉により、機械力で置き換える必要がなかっただけだ。

アンドレ・グンダー・フランク「リオリエント」を読んだが、以上はその内容の一部となっている。フランクは二千年紀はじめの宋朝以来アジアが世界経済の中心であり、1400年代にヨーロッパ人がその経済に参入して、グローバル経済が始まったとしている(1990年からではない)。1400年から1800年までは圧倒的なアジア(インド洋~東南アジア~東アジア)中心のグローバル経済で、進出したポルトガルはごく一角を占めていたに過ぎない。インドの高度に発達した紡績業の前にイギリスは銀貨(アメリカから強奪したもの)で輸入するのみ。

それが産業革命後の1800年からこの2000年頃までわずか200年間ヨーロッパ中心(北アメリカも)の経済に戻っただけ、ということらしい。この三千年紀からはアジアに戻ると言うが、中国がこの体たらくでは?

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