8/19/2012

日米同盟あっての大国日本

日本は大国でなくてもよいではないか、という意見があろうが、日本が大国からの凋落の道をたどる行く末をフィリピンの現在に見ることができる。

フィリピンは大国にはなったことはないが、過去、民主化の動きの末、米軍のスーピック空軍基地とクラーク空軍基地を追い出す結果となった。いま、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島にあるスカボロー礁(黄岩島)の領有権の中国との争いがエスカレートし、両国が艦船を出してにらみ合うまでになっている。両基地のあったルソン島の近くに紛争の島があることを考えたら、両基地があれば、これほど中国が強気になっていただろうか、という予測が成り立つ。

日本の米軍基地のありかたには確かに問題点がないわけではない。沖縄に全国の75%の基地が集中していることなどだ。しかし、それを国外へ、最低でも県外へ、ということにしたら、尖閣諸島をめぐる中国との争いに不利になることは疑いを入れない。軍事力は戦争のためにだけあるものではなく、国の発言力を増すのである。

民主主義国家で、国民の生活第一の政治が行われるべきことはそのとおりだが、そのまえに、その国家が存続すること、すなわち領土保全につながる政策がそれに優先される、という自明のことを忘れては何にもならない。

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