10/16/2011

年金は保険であることを忘れた議論

 年金(厚生年金)の支給開始年齢の例えば68歳への繰り延べが議論の対象に上っただけで大騒ぎになっている。
 そもそも、何のために老齢年金というものがあるのかの議論が足りない。年金とか保険とかは皆で出し合って必要な人に支給する仕組みだ。国費で補填するといっても、元は税金だ。だから、誰もが迎える老後に備える資金は個人で若いうちから積み立てるのが基本なのだ。しかし、何歳まで生きるかわからないから、積み立てる総額のメドがつかない。長生きするのはよいが、そのときに資金が潰えたら困る。その意味で、思いがけずに生きた後の資金は年金で保障します、というのが年金の基本的な考えだ。
 介護保険とか医療保険とかは人の健康状態によって必要額が異なるから、皆で出し合う「保険」となっている。
 だから、老齢年金も平均寿命以上に長生きした人の思いがけない必要資金のために支給する制度にすべきだ。たとえば、85歳以上の長命者には国で全生活費を支給する制度だけでよいのではないか?もちろんだが、年金制度の発端となった軍人が戦死傷したものを(傷害、遺族)年金で養うようなものは社会的に必要だ。この年金制度をあまねく一般化したことに間違いがあったのではないか?

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