8/18/2011

国債増発は日本国民の投資の対象として不可欠

 民主党の代表選での大テーマとして増税問題がある。議論としては復興財源、引き続きのデフレ対策の財源、税と社会保障議論へ裏付けとなる税の3種類の観点があるようだ。
 復興財源は巨額にならざるを得ないので、そのための国債を発行して、中期的には償還のための増税を検討しなければならない。これについては論点が共通となっている。
 年々社会保障のための費用が当然増となるので、保障のレベルを下げるのでなければ、中長期的には消費税を中心とした増税が必要だ。これを国債に頼るのは、赤字国債の代表例みたいなもので、長期的には許されない。復興財源の話と同時期となったので、誤解を生みやすい。
 問題はデフレ対策のための財源のほうだ。増税してまかなえば、デフレ対策の総需要の公的確保の一方で同額、民間からの需要減退となってしまう。アクセル(デフレ対策)とブレーキ(増税)を同時に踏むことになる。国債を発行して、景気がよくなれば、国債残高を減らすべく、時間差で償還していくだけだ。
 国債残高が一千兆円を窺うところまでになれば、円の信認に悪影響を及ぼし、ひいては、国民からあるいは諸外国から日本経済の信用度が低下する結果、暴落(利率の上昇)の恐れがあるので、採用できないとの意見がある。欧州などと比べ、いまは低率の間接税に増税余地があるのだから、国債発行よりも、増税のほうを考えるべきだと。以上の二つの論点でデフレ対策財源の議論は結論のでない相談をするような堂々巡りの状況になっている。
 文痴は違うと思う。GDPの倍近くになる国債残高がそのことだけを持って発行しすぎと考えるべきではない。現在の国債市況で十分価値を保っている(利率を上げる必要がない)ことを考慮すべきだ。また、銀行なども投資対象が見つからないデフレ状況なのだから、国民から預かった資金を国債購入に充てることは、その1,200兆円といわれる投資対象としても国債は必要なのだ。

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