6/14/2011

原発放棄で二酸化炭素の削減は無理となった

 鳩山前首相が一昨年九月の国連総会で地球温暖化ガスの二酸化炭素を2020年に1990年比で25%削減することを世界に公言した。日本人のほとんどはそのことをもう忘れているに違いない。
 二酸化炭素の削減に実質的に効果があるのは化石燃料発電を原発に転換することだ。未だ有効なエネルギー基本計画では2030年までに原子力発電のシェアを現在の30%から50%に高めるとしている。菅直人首相が今年のフランスのサミットで宣言した再生可能エネルギーによる発電を2020年代までに少なくとも20%を確保したとしても、原発のシェア増(50-30=20)を代替するまでが最大限で、25%の削減はゼロとなってしまう。化石燃料による発電は長く残ることになるのである。
 結果は、化石燃料の価格高騰と米国などのバイオエタノール燃料の増産による食料価格高騰と低開発国の食糧難、あるいは、二酸化炭素の地中貯蔵を図るとすれば莫大な費用がかかることになる。天然ガスも割合は少ないながら二酸化炭素は排出する、また、今後の技術開発が待たれる深海のメタンハイドレート、あるいはオイルシェールもすべて化石燃料であることは間違いない。
 人為的地球温暖化を防止するための二酸化炭素排出削減は原子力発電の放棄とともに未達の目標となるのであろう。

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