5/16/2011

「想定外」にどう対応すべきかNO5(レベルⅡ地震)

 想定していた規模を超える災害が襲来したらどうなるか、にあらかじめ対応しておくことが重要だ。ここで、想定を超えるものにさらに物理的に対応しておく、つまり、津波防波堤をさらに高くする、というのはその対応にはならない。
 地震の震動による構造物の被災について考える。建物とか橋とかの構造物を無限に丈夫にするのは合理的ではない。第一に費用がかかりすぎるし、構造物の耐用年限内に被災しなければ、無駄になる。だから、異常に大きい震動に対してはレベルⅡの地震対策として設計することになる。レベルⅠまでの比較的小さい震動には損傷がないようにするが、レベルⅡでは損傷は許すが、破壊が壊滅的にならないようにする。つまり壊れ方が人的被害を最小にするようにする、という考え方だ。
 カンタベリー地震2011.2.22ではクライストチャーチ市の中心のCTVビルが崩壊し、壊れ方で言えば、ぺしゃんこになった。これでは生存者はほぼ見込めない。阪神大震災で神戸市役所旧館はある特定の階だけが倒壊した。ほかの階では生存が見込める。橋でも落橋しなければ、上部の交通も下部空間にいたものも生存者は見込める。
 大津波に遭遇した原発で言えば、電源を耐水建物内に収容する、浸入海水が自然と排水できる、などであろうか。

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