5/11/2011

「想定外」にどう対応すべきかNO4

 計画堤防高を超えた津波が襲来したとき「想定」しておくべきこととは何だろうか。
 原発の場合、原子炉建屋と発電機タービン建屋は堅牢に出来ている。津波を想定(計画高以上だから安全だとしていた)しているというより、内部の放射能物質を大地震時に閉じこめる機能のほうから堅牢になっているのであろう。今回の福島第一の場合も地震ばかりでなく津波でも被災していない。
 弱点は原発補機類だ。補機とは原子炉緊急停止後の冷却用予備電源、予備発電機、冷却水ポンプなどだ。補機が動かなくなっても原発にとっては致命的なので、同等の基準で守らなければ意味がない。柏崎刈羽原発では中越沖地震で燃料タンクのみが被災・炎上した。本体建屋と同等の耐震性がなかった。
 津波の海水をかぶったとき、何らかの損傷はおきるかもしれない。しかし、それが軽微で、すぐあとの機能に支障が少ないか、あるいは、修理が必要だとしてもすぐに機能が回復できるように、被害のパターンを想定、準備しておけばよい。今回の福島第一では予備電源が大地震ですべての送電系統が機能しなくなった(これも困ったことではある)。予備発電機は電気製品だから水没とくに海水につかると復旧が困難になるのに、計画敷高より低い地下室部分に設置していたという。致命的な誤りだ。たぶん、普段は使わない邪魔物だから、地下の有効利用の対象になったのだろう。予備発電機の燃料タンクも同じ扱いだ。

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