7/16/2010

災害が起きて、復旧の業者がいない

 梅雨末期の豪雨で、西日本の中小河川の災害が頻発している。例年のことだが、災害のあと、再度災害を未然に防止するための対策工事が必要だ。そうでないと、同じ雨が降ればまた同じ災害をもたらすことになる。これらの中小河川の工事は地域の土木業者に頼むことになる。ところが、近年の自由競争のなか、安値受注が横行し、採算が悪くなったので、土木業者が廃業あるいは撤退するケースがあとを絶たない。頼む業者がいなくなったら、あるいは、数が足りなくなったらどうするのだろう。
 土木業は圧倒的に官需業界だ。逆に見れば、国家とか自治体の経営には必要な業界だから、日頃から「養う」ということが必要なのではないか?大災害の年には復旧の仕事が莫大となるが、通常の年にはそんなには必要ないとなれば、通常の年に「養う」ための「少し無駄な」工事をやらせる必要がある。まったく「無駄」なものは論外だが、少し無駄でも、暇なときにやっておこうという工事はある。
 自衛隊とか江戸時代以前の武士は、いざという戦争に備えて、日頃は訓練のみの日常だが、土木業は作ったものが残るだけましだ、という考えになれないだろうか。

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