1/12/2010

デフレスパイラルではなく世界的な物価調整

 物価が安くなったのはデフレスパイラルになったからではなく、円高で輸入財が安くなったからだ。中国など新興国から低賃金による安価な製品も入ってくるようになったこともある。経済がグローバル化しているからすぐにそうなっただけだ。逆に日本国内の賃金は円高を考えれば相対的に高めになっている。同じ賃金なら、物価が下がった分、豊かな生活ができる、というのはデフレスパイラルではない。
 円高により相対的にあがった賃金を国際水準に従い下げる、というのは容易ではない。賃金には下方硬直性があるからだ。だから、企業の収益が悪化せざるを得ない。賃金を下げられない、非正規臨時労働者を雇えなくなるようだったら、その企業が生き延びるためには海外(中国など)に逃げるしかない。そうならないためには、賃金を少しは下げざるを得ないだろう。これはデフレスパイラルとは言わない。国際水準に物価も賃金も合わせる「調整」なのではないか?

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