12/15/2009

羽毛田長官は天皇の官僚

 天皇の官僚(制)というのは、蘇我物部の争いの飛鳥時代から続く、権威の象徴としての天皇制を持続させる仕組みのことだ。象徴としての天皇については、明治以降は立憲君主制、戦後は象徴天皇と名前は変わったが、実質は何ら変わっていない。ときの権力と区別し、日本国民の権威であり続けるため、ずっと、権力と組むというような政治利用はされてこなかった。明治維新がスムーズに進んだのも、天皇の権威が続いていたからだ。結果滅んだ徳川幕府が細々とではあるが、自己の滅亡の原因ともなった天皇制を維持してきたのだ、大きい立場で日本という国のために。そのシステムをお守りするのが「天皇の官僚」という名で呼ばれる理由だ。
 その羽毛田宮内庁長官に政党の幹事長が辞任を要求した。政治主導だからだそうだ。しかし、政治利用を邪魔されたからだろう。これは、ときの政治勢力と独立して天皇の官僚が必要なことがわかる絶好の理由ともなった、皮肉なことに。

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