9/16/2009

内需だけで日本経済は立ちいかない

 今回の経済危機の教訓で、外需に頼ることなく内需対応の強い経済を作るべきだ、というのがあった。正論だが、行き過ぎて内需だけでは日本経済が成り立たない。原材料とくに石油、食料などはほとんどを輸入に頼らなくてはならないから、少なくとも、その分だけは外貨を稼ぐ、つまり、輸出をしなければならない。日本人は物づくりが得意、というが、物づくりしかできない。その典型が自動車だ。
 その自動車産業ほかの製造業への登録型派遣を禁止する考えという。結果は、派遣労働者の大量失業と、自動車工場の海外逃避だろう。内需を盛んにするためにも、子ども手当など各家庭に直接ばらまくことが行われるが、金持ちはそのまま貯金してしまい追加需要にならないし、たとえ、消費が盛んになったとしても、上記の理屈で、内需だけでは日本経済がたちいかない。
 福祉は貧困層へあるいはセーフティネットとして限定したらどうか?経済的に自立している大部分の国民に配るのは、選挙対策のばらまきそのものだ。野党自民党も。
 内需の最終は個人消費だが、豊かな日本でもう買う「もの」がない。自動車だって、長持ちするから、いずれは消費が飽和することは自明だった。それが、今回の経済危機をきっかけで、表面化したに過ぎない。地震が地中の地盤のひずみがたまった結果、あるときに一時に解放されるのと似ている。ひずみがたまっている(特定の消費は永遠に続かない)ことに気づくべきだった。

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