12/12/2008

石破大臣は真意を隠した(文藝春秋誌)

 文藝春秋1月号の石破茂農水相(前防衛相)「田母神前空幕長を殉教者にするな」を読んだ。センター右の総合雑誌に自民党保守本流政治家が(このタイトルで)何を書くのかと不思議だった。読んでみたら、案の定、歴史観などの政治的なものは田母神氏とそう違いはない(と推測される)、というより、アリバイ的に同意しているのみで(細かい違いは当然あるのだろうが)詳述していない。
 ただひとつ、注文をつけているのは、文民統制についての田母神氏の考えは間違っている、と述べているところだ。「文民統制は・・・従って、厳格なコントロールが行われなければならないのだ」(全8頁の4頁目)が間違いとする唯一の根拠箇所だ。たしかに政府高官たる空幕長が民間雑誌に政府見解(村山談話の引き継ぎ)と明らかに差異があるものを発表するのは異例だ。だが、文民統制に支障があるとまで言えることかどうか。厳格であってもコントロールされるべきことか。ただの意見表明だ。(文民統制の対象となる)実力行使あるいはその宣言でもない。
 それよりも、村山談話を事なかれ的に放置してきた歴代自民党内閣の怠慢をとりあえず表だったものにしない、という政治家の文章と理解した。

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