11/27/2008

道路は交通量だけで整備するものではない

 国土交通省道路局の審議会が道路交通量の将来推計で減少に転ずると発表した。道路関係者の間で一部大騒ぎとなっているが、いままで増加してきたのだから、いつかは減少に転ずる。人口減、車離れ、情報化時代だから当たり前といえば当たり前だ。騒ぎの真意は今後の道路整備がどうなるかだ。しかし、道路交通量が減少しても道路整備は引き続き必要だ。
 渋滞道路は車線を増やしたり、交差点・踏切を立体化するなどの「量的対策」がなされるが、交通量が減ることになれば、これらの一部に不要のものがでる。しかし、道路整備の大半は「質的対策」のものだ。道路の質、すなわち、カーブがきつい、二車線確保には狭すぎ、追い越しも出来ない、都会部で歩道がない、自転車レーンを新設したい、などの質的不備は交通量の多少には関係しない。前記踏切除去は安全対策でもある。
 このように大部分の道路が最低の質的基準をクリアしていない。道路整備の費用対効果B/Cの議論以前の状態にあるともいえる。道路の効果(便益)Benefitは時間短縮効果などで、すべて交通量を掛け合わせたものだ。だから、交通量が減少すれば整備効果は比例して少なくなり、整備の理由がなくなる、とするものだが、その議論の土俵に乗らないものもあることをわかってほしい。

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