9/20/2008

一物二価が商道徳を壊す

 戦後の食糧不足の時代、ヤミ米が横行し、配給米との一物二価状態になった。配給を政策的に安くし、それは量的に充足されなかったから、高くても充分なヤミ米流通が続いた。法律違反だが、人が必要とするものを流通させるのだ、という商売の倫理にはなっていたはずだ。配給米の方がおかしかったと考えるとわかりやすい。
 さてミニマムアクセス米は政府が購入するもので、国際価格で輸入できるので国産米よりはかなり安い。一物二価なのだが、政府管理で主食用米としては流通させないようにしている。しかし、戦後と同じく今回も「ヤミ」で食用さらには給食の主食用として出回ってしまった。「ヤミ」だから、カビとか残留農薬の事故米が流通してしまったと理解した方がよい。「ヤミ」だから商道徳が附随しなかった。
 ミニマムアクセス米とかで、自由貿易の例外に安住するのではなく、減反の田圃を含め、すべての田で稲作をし、そのうちから非主食用(せんべい、酒、あるいは米粉製品)にまわすものは回したらよい。米粉用には主食で人気のコシヒカリなどの食感は必要ないから、別の多収量品種の米を開発できるし、それでも余ったら、バイオエタノールの原料米としてもよいし、高級米は輸出もできる。自由化により、米価は今より安くなるが、作付け面積が増えるから、収入は減らないのではないか?

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