8/19/2008

「2020年の日本人」読後考える

 松谷明彦著「2020年の日本人」を読んだ。日本はすでに人口減の時代に入っているが、少子高齢化に伴う高齢者の増加による労働人口率(労働人口中の実際に労働する人の率)も減少し、2020年には労働人口(人口×労働人口率)は半減し、GDPが激減するという。
 人口減と高齢化は確実な未来で、言われてみればそうに違いはない。松谷氏は、だから日本独自の消費社会を構築して、投資(民は設備投資、官は公共投資)重視の経済運営を改めなければならないとするが、文痴の結論は少し違う。
 やはり、総需要が足りない。日本人の安定志向で、ハイリスクな投資先は全滅に近い。株式市場が低迷していることからもわかる。確実な投資先、公共事業が必要だ。もちろん、社会インフラとして効果の高いものに限定すべきだ。道路で言えば、必要な道路に。景気浮揚のためだけの公共事業は今の時代、必要ない。
 言い換えると、個人の余裕資金あるいは企業の社内留保は自己のために使う必要性が残っていない。個別にはすでにかなりのものがそろっているからだ。だからその資金は、貯蓄に回っているので、その行き先は各個人では投資できない共同施設すなわち公共施設に向かわなければならない、という理屈だ。

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