1/24/2008

賃金は労働分配率で決まらない

連合高木会長が経営者側に景気浮揚のためにも労働分配率(賃金)をあげることを要求した。立場上許される発言だ。賃上げは労働者個人のためばかりでなく、日本経済のためでもある。
問題なのは、経営者側の「利益の出ている会社にはそのように要請する」との回答だ。

個々の会社は原材料あるいは製品を市場で売買するばかりでなく、労働力も労働市場から適正価格で購入している格好だ。賃金を会社の利潤の都合で上げ下げできない。背任になるかもしれない。
個々の会社がミクロに利潤を追求する結果、合計したマクロの経済が潤う、というのが資本主義の理論だ。そうならない場合、政府など公的介入はあり得るが、個々の会社に要請するというのはない。

森永卓郎氏などが労働分配率を上げるべきだと主張しているが、個々の経営者はあくまで労働市場での「適正価格」で賃金を決めてよい。適正価格が社会的にみて低くなっているのは、おもに中国での単純労働・低賃金労働者の参入による。単純労働の需給が供給過多で、値が下がっている。

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