12/20/2006

ワーキングプアの真因

NHKスペシャル「ワーキングプア」が何回か放映され、大反響を呼んでいる。
つまるところ、結果の平等は無理にしても、機会の平等がない、ということらしい。

わたしは、その意味するところは、大枠では首肯できる。生まれ育ちで既に大きな差はある。

問題は、最下層の人たちが一つでも上に何故行けないのだろう、という小枠部分の理由だ。
産業構造の変化について行けなかったから、というのが理由ではなかろうか?
産業構造の変化は、まずは、世界貿易の拡大だ。中国の安い人件費での製品が大量に入ってきた。中国人と同じ質の労働をしていては、賃金は高くはできない。同一労働同一賃金だ。
次には、コンピューターによる情報化が高度に進んだことだ。コンピューターの補助作業をしているだけでは、高い賃金は払えない。コンピューターに命令する仕事に価値がある。

そうなのに、大学入試から就職あるいは資格取得などのキャリアアップの過程で、以上の変化への考慮がなされていない。大学全入に近い状態は、国民全体の理想としてきたものだが、考えてみればそれはあくまでプロセスであった。キャリアという目標に近づけなければ意味が薄い。

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